ストーリー挿絵1

 大きな桜の木の下で、無邪気にシャボン玉を飛ばして遊ぶ幼い頃のちーちゃんこと歌島千草と、モンちゃんこと久野悠斗。幽霊のいる世界に憧れるちーちゃんは、お布団を被っての怪談話が大好き。おやつを残すモンちゃんに、「もったいないお化けが出るぞぉ」と脅かす。ある日、ちーちゃんに乞われるまま、傘をパラシュート代わりに、2階のベランダから飛び降りるモンちゃん。尻餅はついたけれど、何とか無事着陸に成功する。次はあたしね、と続いてちーちゃんが飛び降りる……。

 月日は流れ、高校に進学した2人は偶然にも同じクラスに。記念撮影で、端っこに立ったちーちゃんをモンちゃんが見とめて笑顔を送る。入学早々遅刻して先生に叱られるモンちゃんの後から、悠然と教室に入って来るちーちゃん。

 母親が家出し、酒で憂さを晴らす父親に殴られ、満たされない家庭にやり場のない日常を抱えるモンちゃん。そんなモンちゃんにとってちーちゃんの隣は唯一の“居場所”だった。ちーちゃんになら、家族の問題も打ち明けられる。ただ一つ、あの“秘密”を除いては・・・。

ストーリー挿絵2

 2人はいつからか屋上で一緒にランチを食べるようになる。ちーちゃんの手作り弁当を、喜んで頬張るモンちゃん。ある日、同級生の林田遊子が、数人の女子生徒に囲まれ嫌がらせをうけている現場を目撃する。ちーちゃんに促され、おずおずと仲裁に入るモンちゃん。解放された林田は、モンちゃんに「それ、うっとうしくない?」と意味不明の言葉をかけ、去っていった。

 弓道部に入ったモンちゃんに、みんなの憧れの的である3年生の部長・武藤白が何かと目をかけてくる。一方、オカルト研究会に入ったちーちゃんは、部室で高校に伝わる“七不思議”ノートを発見する。さっそく、嫌がるモンちゃんを引き連れて“七不思議”めぐりを始める。

 ノートに書かれた七不思議は(1)1年B組の花子さん(2)血染めのピアノ(3)呪いの階段(4)苔地蔵(5)体育館の安田さん(6)彼は誰の鏡。そして最後の7つ目は、6つの不思議を全て体験した人だけにその願いを叶えてくれる“聞き耳桜”だった。 “七不思議”のひとつ、苔地蔵に向かった二人の前に現れたのは、部活を休んだモンちゃんをつけてきた武藤先輩だった。一緒に居るちーちゃんをまるで無視し、苔地蔵の前でモンちゃんをからかう武藤先輩。モンちゃんは何とかその場を取り繕うが、汚れた“彼は誰”の鏡に映った自分の姿、ちーちゃんのお弁当をたくさん食べた直後に鳴るお腹の虫、二人を取り巻く不可思議な出来事は、次第にモンちゃんが抱えてきた秘密を明らかにしてゆく。

ストーリー挿絵3 ストーリー挿絵4